1932年、マレーシア。ひとりの日本人女性が殺される。
殺害したのは犯罪結社「死の腕」―。
首を切られ26発の鉛弾を撃ち込まれた亡骸を抱え、復讐を誓う男がいた。
その娘の兄、田島ハル。のちにマレーの虎(ハリマオ)と呼ばれる男である。
彼は「マレーの赤い虎」という報復組織を率い、打倒「死の腕」を掲げた。
掃討作戦は順調に進み、党首が潜伏する「死の腕」本拠が南洋に浮かぶ孤島
ナンマドールにあることを突き止める。
島の入り江にあるバーで店主になりすまし、静かにグラスを拭く男
「死の腕」党首モーストン・ヘンジョ・ダロ。
遂に見つけた。 ハリマオは激情と共にありったけの弾丸を叩き込む。
しかし、妹を殺した男は微笑んでいた。「なぜ笑う!!」
その返答は、ハリマオの積年の怨恨を裏切った。
「ハリマオ。会えてよかった…」
その後、ハリマオは突如として失踪する。
そして残されたマレーの赤い虎は奇妙な噂を耳にする。
「ハリマオが『死の腕』に寝返った…!」
物言わぬ島が、静かにうめき始めた。

